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ヒトカラマニア

…ですが、今は体のメンテナンスの優先順位が高くなってしまい、あまりヒトカラに行けてません/(^o^)\

小説『kaori』第4回(全8回)
2015-12-22 23:50







画像はイメージです。









小説『kaori』(便宜上、第4回)









 ひろ子ちゃんはこれからどうするんだろう。和美くんを選んだばかりに、和美くんに迷惑をかけると知ったら……。当の和美くんもどうするんだろう。……ううん、きっと彼なら、ある程度の邪魔が入ってもうまくやっていけるに違いない。笑いながら、つらいことをジョークにして。やっぱり問題はひろ子ちゃんだわ。どのくらい動揺しないでいられるか。
 許されない恋を貫こうとすると、どんな障害が待っているかわからない。
 きっと、私の場合はひろ子ちゃんより部が悪い。
 どうなっていくのかしら、私たち。
 やっぱりお金では買えないものがあるから……。
 もし、康徳が離婚して、慰謝料をいっぱい支払ったとしても、子どもたちにはパパの代わりはあげられない。………奥さんが再婚すれば話は別だけど、私にはそこまで望む資格がない。
 それについては本当に、偶然にまかせるしかない。
 けれどもいったいどうするのが最善なのかしら?
 誰も不幸にしたくないのに。
 だからといって自分の幸せだけを犠牲にしたら、あとできっと誰かを恨むだろう。


 夜の10時に待ちあわせをした。都心のカフェバー。
 康徳は少し遅れてやってきた。
「ごめんね遅くなって。仕事が長びいたものだから」
「いいのよ。お疲れさま」
「何かあったの? 元気ないじゃない」
「何でもないわ」
「そう?」
 いきなり彼の顔が近づいて、唇と唇のキスをした。都会の無関心が、こんな時うれしい。
 ころあいを見計らって、ウエイターが来る。
「お飲み物は?」
 康徳は、機嫌よく答えた。
「彼女と同じマルガリータを」
「かしこまりました」
 ウエイターは去った。
 今日の私は、気をつけていないと笑顔が消えてしまう。
「どうしたの怖い顔して。やっぱり何かあったんだね?」
「……ええ」
「僕に話して。君のことは何でも知りたいんだ」
 話してと言われても、この話題を口にするのはとても勇気がいる。
 結果的には恋を失うかもしれない。
 だけれども、いつかは確かめなければならないんだわ。私は思い切って口を開いた。










つづく。












小説『kaori』第3回(全8回)
2015-12-19 23:50







画像はイメージです。











小説『kaori』(便宜上、第3回)









「わかりました」
 2秒ほど立ち止まっていてからソファに腰かけた。
「ひろ子さんのことを探しても無駄だと思いますわ」
「どうして?」
「彼女はあなたとは結婚しないつもりですもの」
 彼は足を組み、眼鏡の縁にさわった。「今になって、急にですか?」
「急じゃありません」
「では何です?」

「ひろ子さんには、以前から好きな人がいたんです」
 彼は少し目を伏せて微笑した。まるでそんなことはわかっていたとでも言うように。「誰です?」
 単刀直入すぎてぶしつけだ。
 きっとこの人にとっては、彼女が誰を好きかなどということはどうでもいいのだわ。「…………」
「私は彼女の婚約者だ。知る権利がある」
 隠しごとは苦手だ。嘘をついたり何かを隠したりするのは、それが結果として誰かを守ることになるときだけ、ということにしている。
 今は、隠すことが彼女にとってよい結果になるとも思えない。
「そうですわね……」
 彼はさきほどよりも微笑を拡大して、うなずいた。西洋的な顔立ちのハンサムだけれど、この目尻のしわは嫌味だわ。
「今岡和美くんというんですの。高校の時の同級生でした」
「なるほど。で、今は何をしている人ですか?」
「アルバイトを……。歌手をめざしているんです」
 彼がにやりと笑ったので、私は腹がたった。
「和美君はあなたが想像しているよりずっと強い人よ。なんて言うか、明るくて……」
「それで相思相愛ですか?」
「……ええ、そうよ」
 山之内は、6秒ほど黙っていてから口を開いた。
「なるほど。そうですか」
 彼は立ち上がって、平静そうに歩き、私のアパートのドアからでた。そしてふりかえって言った。
「私には、今岡くんとやらの将来を邪魔する力がある。これからのことが楽しみですね。お話をどうもありがとう。お邪魔しました」
 山之内は帰っていった。
 わたってはいたものの………。頭が痛い。
 ソファに倒れるように腰掛ける。思わず大きなため息がでる。










つづく。












小説『kaori』第2回(全8回)
2015-12-14 19:42






画像はイメージです。










小説『kaori』(便宜上、第2回)









「うれしい。ほんとにごめんね。……じゃ、また連絡するから」
「うん。気をつけてね」
「ありがとう」
 彼女が電話を切ったので、私も受話器を置いた。
 ソファに座った。そして立ち上がり、また座った。ポケットを探った。食器棚に目をやり、本棚を見て、ステレオを眺めた。再び立ち上がり、ステレオの上にあった煙草を手にとった。
 100円ライターで火をつけ、深く深く吸いこむ。5秒待って煙を吐き出す。右手の人差し指と中指のあいだに煙草をはさみ、ソファに戻った。
 フィルターに付いた濃い口紅が、この煙草をこの部屋に置いていった人のことを思い出させた。
 もちろん彼を愛している。
 だけど、もし最初から康徳が既婚者だと知っていたら、それでも好きになったかしら?
 キスしたとき口紅が移っても、
「うれしい。君の口紅」
と言って拭おうとしない康徳。
 私と逢っていて遅くなっても、誰に気兼ねする様子もない康徳。
 どうして、彼に家庭があると見抜けただろう。
 ソファの背もたれの上に両腕を乗せて、足を組み、目を閉じた。
 その時だった。誰かがアパートのドアベルを鳴らした。
「どちら様ですか?」
「山之内と申します。ひろ子さんのことでちょっとお尋ねしたいのですが」
 頭痛がした。
「あの……」
「私はひろ子さんの婚約者です。彼女のことはお聞き及びでしょう?」
「…………」
「何か心当たりのことがあったら教えていただきたいのです」
 まぶたを強く閉じた。そしてドアを開けた。目は伏せたままで。
「どうぞお入りになって。立ち話も何ですから」
 目を上げると、30代半ばの中肉中背の男が立っていた。
「あ、すみません。初めてお目にかかります。山之内です」
「近藤香です。さあどうぞ」
「お邪魔します」
 山之内さんが部屋に入ってくると、妙な感じだった。この部屋に入って来る異性といえば、普段は康徳だけだからだ。
 山之内さんを応接セットのソファに掛けさせ、台所で日本茶をいれた。
「粗茶ですけど」
「どうぞお構いなく。近藤さん、さっそくですが、私はひろ子さんのことをお訊きしたいのです」










つづく。











小説『kaori』第1回(全8回)
2015-12-11 19:56







断捨離で発掘した、もういっこの小説を掲載しま~す^^

非現実系ですwwwww

1989年の作品です。











画像はイメージです。









小説『kaori』(便宜上、第1回)









 いっしょに過ごす何度めかの夜だった。康徳は私の84センチメートルのバストの谷間に顔をうずめ、脱力して、言った。
「何にもしてあげられなくてごめんね」
 私は心もち目を開けて天井を見、小さなため息をついた。康徳は結婚しようとは言わない。遊びだとも言わない。
 これを最後の恋にしたい。そうでなければ非処女になってしまった自分を、今後も信じていくことはできないような気がする。もしも彼がどうしても私の許から去ってゆくというのなら、止めはしないだろう。けれど……。
「いいのよ」
 私は康徳の茶色の紙をなでた。
 そして、ショートカットで小柄な奥さんと、4歳の女の子と2歳の男の子のいる彼の家庭の様子を想像してみようとした。奥さんとは決定的に不仲になったと彼は言うけど、私の前では家庭の匂いが全然しないから、うまく想像できない。


「うちのひろ子、伺ってませんでしょうか?」
「いいえ。こちらにはみえてないですけど。どうかなさったんですか?」
「あ、いえ。居らないなら結構です。どうも失礼いたしました」
 ひろ子ちゃんのママからの電話は、あわただしく切れた。
 と思うと、再び呼び出し音が鳴った。
「もしもし?」
「…………香ちゃん? 留守番電話じゃないのね?」
「ひろ子ちゃん? どうしたの? 縁談のことで何かあったの?」
「…………」
 胸がはやくなった。彼女が言う。
「うん。まあね。………やめたの。やっぱり」
「和美くんのこと……?」
「そうなの。今いっしょにいるの」
「まあ……」
 目の奥が痛い。喉がひくつく。
「これからどうするの?」
「まだわからない。これから考えるわ、ふたりで。とりあえず香ちゃんには連絡しとこうと思って。ママから電話がかかってくると思うから」
「もうかかって来たわよ。ついさっき」
「………あらそう。知らないって言ってくれたんでしょう?」
「ええ」
「ごめんなさい。迷惑かけるわね」
 受話器を強くにぎった。手のひらに汗がにじんでいる。
「いいのよ。気持ちわかるから。あたしのほうは大丈夫」










つづく。












小説『彼女はスリーピング・ビューティー』あとがき
2015-10-15 19:29







画像はイメージです。









昨日まで、また、不定期連載していた小説『彼女はスリーピング・ビューティー』を
お読みくださいましたかた、
どうもありがとうございました<(_ _)> 




この小説は1989年に書きました。

バブル時代ですねwwww

私が水商売からOLに戻った年です。





当時はタクシーをつかまえるのが大変でした。

あと、
正社員だと、ボーナスで年2回、海外旅行に行くのとか、普通でした。

私は「旅行好き」ではないので
海外旅行にはほとんど行ったことがありませんが。

イタリアも行ったことありません(笑)

たしか、1990年とか1991年には
冬のボーナスを40万円くらいもらった気がしますが
何に使ったか覚えてません(爆)









不適切な表現もあるような気がしましたが
オリジナルを尊重して
(というか直し出すとキリがないので)
ほぼそのまま掲載しました。




それと、
つじつまの合わない箇所もいくつも見つけましたが
オリジナルを尊重して
(というか直し出すとキリがないので)
ほぼそのまま掲載しましたwwww









この作品は『アンガージュマンの入口』と違って
リアリティーを追求していません。

なんか、
SFを書きたかったんですかね(・ω・)




似たテイストの短編があといっこあるので
また掲載するような気がします←