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ヒトカラマニア

…ですが、今は体のメンテナンスの優先順位が高くなってしまい、あまりヒトカラに行けてません/(^o^)\

小説『kaori』第7回(全8回)
2016-01-03 23:50







画像はイメージです。









小説『kaori』(便宜上、第7回)









 黒っぽい流行のファッション、顔つきは賢そうで、彫刻のように美しい。
「あなたは誰?」
 その人は自信に満ちたほほ笑みを見せて答えた。
「…私は四次元の世界を操ることのできる者です。貴女にご相談があってやって来ました」
「…………」
 頭がぼおっとする。その人が何かとてつもなく奇妙なことを言っているとは思うのだけれど、…反論できない! なぜか、有無を言わせない調子がある。
 おもむろに彼は言った。
「貴女の彼の過去を操作してあげましょうか?」
「え?」
「貴女の彼の過去をかえるんです。5年前に戻って、結婚しなかったことにする。いかがですか? そうすればあなたがたは不倫ではなくなりますよ」
「! ……そんなことができるの?」
 彼は妖しげにわらった。
「できますとも」
 …………ずっと、こんな幻を追っていた。出会ってからずっと。もしも5年前にめぐりあえていたならと、2人とも……。
 それが今、どういうわけかわからないけれど、実現しようとしている……。
 そう思った次の瞬間、私ははっとした。
「もし……、もしそうなった場合には、彼の子どもたちはどうなるの?」
 その人は、初めて表情を硬くした。
「もちろん生まれません」
「!………」
 私は青くなってふるえ出した。そんな……、そんなこと私には……。
「どうしますか?」男が私を促す。
「ちょっと待って」
「待てません。10かぞえる間に決め手ください……ひとつ…」
「!」
 どうしよう。
「ふたつ……」
 私、すべてを精算して康徳と一緒になりたい。
「みっつ……」
 だけど、今は存在している小さなふたつの生命が、私の決断によって消えてしまうとしたら……。
「…いつつ………むっつ……」
 だいいちこの人は信用できるの?
「……やっつ……ここのつ……」
 ああ、混乱する。康徳、私、私……。
「…とう」










つづく。











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