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ヒトカラマニア

…ですが、今は体のメンテナンスの優先順位が高くなってしまい、あまりヒトカラに行けてません/(^o^)\

小説『アンガージュマンの入口』第33回(最終回)
2015-06-14 19:04
















小説『アンガージュマンの入口』(便宜上、第33回・最終回)









「あらまあ、あたしったら、学生時代に戻ったみたいな口のききかたしちゃったわ。あなたがサルトルなんか読んでるから」
 加代子さんは、テーブルの上に置きっぱなしだった『ユダヤ人』を手にとった。
「でも本当にそうだと思わない? 誰だって政治に、って言うか世の中に参加する力があるのよ。何かが始まるきっかけをつくるのは、必ずひとりの”誰か”だもの。みんなが何もしなければ、世の中には何も起こらないはずよ」
「そうですね……本当にそうだわ」
 あたし、感動してる。
 ヒデちゃんのことをけなされたのに、頭にこないわ。
 加代子さんはヒデちゃんより一枚上手だ。
 もしかして、あたし、これから、ヒデちゃんのことを好きじゃなくなるかもしれない、とまで思う。
 ステキな男の人は、他にいっぱいいるような気がしてきたし。たとえば……ノボルさんとかシノブさん。
 …ちょっと飛躍しすぎかな?
 でも、今回の放射能騒ぎでは、本当に密度の濃いことをいろいろ考えさせられた。あたしにとっては、エポック・メイキングな事件だったわ。死ぬかもしれない、なんて思ったのがほんの3週間前だし。
 京浜東北線の中で放射能の恐怖におびえてたあの時とくらべたら、今こうしてまたライブの開演を待ってるなんて、夢みたいにうれしいことなんだよね。
 生きてるのってうれしい。
 元気なのってうれしい。
 元気なまま、放射能の恐怖を体験したあたしは幸せ者なのかもね。うん、きっとそうよ。
 とりあえず、7月6日の選挙では、核兵器廃絶を訴えてる党に、あたしのおNEWな1票を入れよう。
 決めた。
 あたしは絶対に、老衰で死んでやるんだから。










終わり。









400字詰め原稿用紙99枚の作品を、33回に渡ってお届けしました(笑)
ブログ1日分としては、原稿用紙3枚くらいが
連載小説にちょうどいいと学びました(笑)




後日、
解説を書かせていただきます。











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コメント
1986年7月10日 朝 脱稿

と書かれている直筆原稿(のコピー)を、今から処分します(・ω・)
Posted by 修羅笛の鍵 at 2015-09-16 19:31 | 編集
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