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ヒトカラマニア

…ですが、今は体のメンテナンスの優先順位が高くなってしまい、あまりヒトカラに行けてません/(^o^)\

小説『アンガージュマンの入口』第23回
2015-05-13 19:12







画像はイメージです。
MEN'S BIGIって今でもあるんですね^^










小説『アンガージュマンの入口』(便宜上、第23回)




「コウ、だいじょうぶ? どうしたの?」
「うん。なんか貧血みたい。手足が痺れちゃってさあ」
「えー」
 美紀ちゃんはすごく心配そうな顔をした。
「踊る体力がないから座ってただけ。最後のほうはちゃんと拍手できたし、もう痺れてないし、だいじょぶだよ」
「そうお?」
 彼女は語尾を上げた。
「じゃあ今日はどうする?」
 何のことかというと、ウラの出入り口のとこでメンバーが出てくるのを待ってるか、ということ。
 待ってれば会えるし、勇気があれば握手してもらったりサインしてもらったり、プレゼントや手紙を渡したりできる。そのあと、彼らが乗って帰るバンをみんなで見送る。
 いつも30人くらいは待ってる娘がいる。
 男の子もいる(憧れてるんだろーなー、ああいうカッコ良いロッカーに。”兄貴”っていう感じなのかな?)
 ライブに通いつめてメンバーに顔を覚えられると、こういう時、
「あ、来てたの?」
とか言ってもらえることがある。
 ノボルさんなんか、高校の制服着てる娘に握手を求められると、
「ちゃんと学校行ったか?」
なんて訊きながら頭なでてあげたりしてる(もちろん握手もする、同時にね)のを見たことがある。
 こういうパーソナルなコミュニケーションのおかげでお友だち感覚が強くなって、あたしたちはかえって彼らの名前を呼びすてにしなくなるんだと思う。
 でもあたしは今日は、パスだわ。
 美紀ちゃんに答える。
「今日はすぐ帰る。あした1限あるから」
 実は、立って待ってる体力なんかないから、早く家に帰って休みたいんだよね。
「そお? あたしは待ってる。BIGIのシャツあげるのさ」
「メンビギでしょ?」
「そうだよ。社割だもんね」
 これだから社会人(特にアパレル業界の人)はうらやましい。
 ビルを出たところで美紀ちゃんと別れた。
 駅に向かって歩く。
 たるいなあ。
 痩せたのに、体が重くて、右足、左足って意識して前に出さないと歩けない。
 三井信託銀行の前で、咳が出た。
 あ、そういえば。










つづく。











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コメント
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Posted by at 2015-05-14 07:18 | 編集
> 三味吉さま

コメントありがとうございます。
そのとおりです。
ご心配おかけして申し訳ありません。
でも、29年前の話です。

Posted by 修羅笛の鍵 at 2015-05-14 21:22 | 編集
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