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ヒトカラマニア

…ですが、今は体のメンテナンスの優先順位が高くなってしまい、あまりヒトカラに行けてません/(^o^)\

小説『アンガージュマンの入口』第20回
2015-05-03 18:51







画像はイメージです。









小説『アンガージュマンの入口』(便宜上、第20回)





 リハーサル終了だね。お疲れさま。

 1分が過ぎるのに3分くらいかかってる気がする。
 でももう開場予定時刻は過ぎてるな、
 と思ったら、24歳くらいなんだろうけど童顔の、お店のお兄さんがドアから出て来た。
 まだドアを開けて押さえたまま、中にいる人と何かしゃべってる。
 用意ができたのかな。
「はい、じゃいれますよ」
って中の人に。やったね。
「開場しますから番号順に並んでください。はい1番のかた」
 前売りナンバー001の娘が、半券とドリンク・チケットを受け取って中へ入った。
「2番のかた」
 あたしなんかずーっと後ですからね。
 その時、
 ぽん!
と誰かがあたしの左肩を叩いた。
「美紀ちゃん!」
「元気?」
「そうでもない。風邪ひいてんの。どーしよー、咳出ちゃったら」
「そういえば痩せたんじゃない?」
「少しね。前売り何番?」
「9番」
「じゃあもうじゃない?」
「うん。じゃあ後で」
 美紀ちゃんは短い列についた。今日の彼女は「ラフぶった」恰好してる。細身のジーンズにシルクのビッグ・シャツ。長ーい髪は病人みたいな1本の三つ編みにして(カッコ良いんだよね、これ!!)肩から前に持ってきてる。
 美紀ちゃんが、あいてるドアの中に消えた。
 中では走って良い席をとってくれてるに違いない。

 入っていって少しさがしたんだけど、美紀ちゃんは、ホントにいい席を取っていた。
 真ん中の、前から2つめのテーブル。近眼のノボルさんでもこっちの顔の表情がわかるような位置だ。
 まいったなー。
 椅子の上にバッグを置いて、ドリンク・カウンターに行く。ステージの左横なのに、ぐるっと後ろをまわって、たくさんの椅子や人をかきわけて行かなきゃならない。
 美紀ちゃんはレモンスカッシュ、あたしはホット・コーヒーを頼んだ。
 ドリンク・チケットと引き換えに受け取って、席に戻る。
「ホットじゃ暑くない?」
「暑いけど、最近胃腸が変だから冷たいもの飲む気がしないの」
「じゃあコーヒーもヤバいんじゃない?」
「平気。クリーム2個もらったから」
「そう」
「美紀ちゃんも、声、変なんじゃない?」










つづく。










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