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ヒトカラマニア

…ですが、今は体のメンテナンスの優先順位が高くなってしまい、あまりヒトカラに行けてません/(^o^)\

小説『アンガージュマンの入口』第4回
2015-03-15 22:35







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小説『アンガージュマンの入口』(便宜上、第4回)




 次か次かと待ってるのに、シックスティーズはなかなか出てこない。
 他のバンドも、それなりに楽しいけどさ。
 あたしは、レインコートのフードは外したままにしている。
 パーマはかけてないし、髪が濡れると普段より二割増しセクシーに見えるんじゃないかなあ、と思って。
 処女のくせにそんなこと考えるの、ヘン?
 いつもいつも、シックスティーズのライブの時には、美しさってことが、大事になるの。
 ヴォーカルのノボルさんが唄いながらあたしを見つめてくれる時のコミュニケーションが、たまらなくロック・パフォーマンスなんだから。
 いつもいつも、あたしがいちばん綺麗で、いちばんノリがいいと思ってほしい。
 それはともかくとして。
 今日は、かなり弱い雨になっても、フードをはずしてる人が「いない」のね。あたしの他に。
 音が、クリアーに聴こえないでしょうに。
 ヘンなの。

 5時半を過ぎた。
 6つめのバンドの演奏が終わって、ステージがチェンジする。
 黒いドラム・セット、黒いキーボード、黒いスピーカーたちが、ステージに並べられつつある。
「シックスティーズのだ!」
「よかったわね」
 白いワンピースの人が言ってくれた。何時間かあたしといっしょに過ごしている彼女は、すでにかなりのシックスティーズ情報通になっている。
 今、雨はすっかりあがってる。
 夕陽すら光っている。
 シックスティーズは、午後1時の開演以来4時間半以上経過して初めて、おもむろにステージに登場した。
 うれピー!
 楽器の人たちがまず出てきて、最初の曲の前奏が始まった。もう立ち上がってステップを踏まずにいられない。
 そして、前奏が終わりに近づいてノボルさんが登場すると、まわりの声援もひときわ大きくなった。
 彼の名前を絶叫する娘は、あたしの他にも何人もいるからね。
 今日もいっしょに唄っちゃうよ。
 レコードになってる曲の歌詩は、完璧に覚えてるもん。へへ。
 シックスティーズは平均年齢28歳の大人のロックバンドで、”60年代風の音作りで男心を唄う”っているのが名前の由来なの。
 もちろんファッションも60年代風の、躰の線で着る服と言われるコンテンポラリー・スーツが多い。
 6人のメンバーは、みんな綺麗な顔の人ばっかりなんだけど、あたしは最初、ノボルさんの声がすっごく素敵だと思ってファンになったから、その声の持ち主の顔もついでに好きになってしまったという程度だった。
 でも今日は。
 すごくきれい!! ノボルさんも、他のみんなも……。
 日比谷野音の白いステージと、同じく白い彼らのスーツには、オレンジ色の夕陽が良く映える。










つづく。











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